6.新しい病院での治療について

『アコ様…完治された30代女性』

次の新しい病院での、一回目の初診を少し時間は経過しましたが、なんとか迎えることができました。というのも予約や患者が多く日程の調整が難しかったのです。私の担当医は、70代前ぐらいの女医でした。私はこの時、「良かったこの病院にきて同性から診察してもらえる。」と心の中で喜びました。

そして、その女医の第一声は、「どこでうちの病院を知ったの?」でした。私は、隠れ家的なレストランや洋服屋さんではこういったセリフを聞いたことがあるのですが、病院でまさかこのセリフを聞くとは思っておりませんでした。私は、「知人からの紹介で」という返答をして、問診に入りました。

問診では、生活環境や親兄弟に円形脱毛症になった人はいるか?など事細かに聞かれました。また、円形脱毛症に関しての知識や今後の治療法なども丁寧に説明してくれたのです。この問診は、私をとても安心させてくれる内容でした。前の診療所での問診では、不安ばかりが募り、いつも何かに追われているような気で問診を受けておりました。

というのも、ここの問診では「必ず私が治す」とか、「今まで多くの方が完治してきました。」という表現を使うのですが、以前の病院では「もっと悪くなるかも」、「最悪治らないかも」というようなネガティブな問診だったのです。これは、治療に対する自信の差だと私は勝手に思っておりますが、円形脱毛症はメンタルな部分も大きく関係する症状なので、後者の問診は良いものとは思えません。

初めの治療は、まず現在も症状が進行中であるか、停滞中であるかをまずみるというものでした。それには、髪を軽く引っ張ってみるということでしたが、これが意外に簡単に抜けるもので、「生えているのではなくついているだけ」という感じでパラパラと髪が大量に抜け落ちてゆきました。それを見て女医は、予想通り「現在も進行中であり、もう少し広がりそうだね。」というとてもショッキングな診断でした。

次にパッチテストを行いました。これは、これから始める病院での外用薬が、有効かどうか確認するための検査です。これは、患部をわざとかぶれさせるため、有効であればひどいかゆみを伴う検査になります。このパッチテストは、人によって個人差がありすぐにかぶれて赤くなる人もいれば、中々出にくい人もいる検査です。

幸い私の場合は、早めに赤くなってかぶれてくれたので、検査は楽な方だったと思います。ただ、その検査時夏だったこともあり、パッチテストの最中はシャンプーができないということあって、かゆみと汗が大変でした。このパッチテストは、どうしても我慢できない痒みがある場合は、かゆみ止めをもらえるのでそれで最悪対応することができます。

検査や問診をきちんとやってくれたおかげで、安心して治療を受けることができました。ただこの問診で、前の病院でのいきなりの強力なステロイド服用治療の話をしましたら、「そういった治療はありえない。」というお話しでした。やはり病院によって治療法は様々で、大きな差があるものなんですね。