お客様のために挑んだ300日間～レミーエンジェル開発秘話～

1.艶がありすぎると嫌？

・髪がまとまらず、広がってしまう
・蛍光灯の下だと、ウィッグの艶が気になる
・人毛の個体差が激しく、今回の人毛はよくなかった
・50代の年齢で、「天使の輪」があったら、不自然でしょ
・つや消しの為にベビーパウダーをはたいているが、どうにかならない？

天然素材ゆえの、人毛の個体差に申し訳ないと思う気持ちと、 意外にも、ウィッグの艶感にこだわられるお客さまが多かったのです。

「どうにかしなければ」「お客様に喜んで頂きたい・・・」そんな思いから、ケア方法や 工場での髪の処理方法などを研究しましたが、飛躍的な効果がなかなか現れません。

もっと他に方法はないのか、模索する日々が始まりました。

2.ウィッグの髪はなぜ艶がありすぎるの？

まず、ウィッグの髪と、頭皮から生えている状態の髪の違いに着目しました。

髪の毛には、魚のうろこのような形状で、キューティクルがついています。

人の頭皮から生えてくる髪の毛は、毛先が同一方向です。

つまり、キューティクルの方向が同じです。

一方、多くのウィッグの髪は毛先、根元がバラバラの状態で植毛されます。

当然、キューティクルの方向もバラバラになります。

キューティクルが残ったままの状態の髪の毛をウィッグに使うと、 キューティクルの方向がバラバラなので、絡みやすいウィッグに仕上がってしまいます。

洗髪時に髪が濡れると、キューティクルが開いて、更に絡みやすい状態になります。

そのため、ウィッグの髪は、植毛する前にキューティクルを剥がす処理をしています。

キューティクルが極端に少なくなった髪の毛は、表面に凹凸が少ないので、 光は分散されることがなく、きれいに反射します。

これが、お客さまが気にされる「テカリ」の原因なのではないか、と考えました。



光を直接反射して艶がですぎてしまう「通常毛」と、キューティクルが光を乱反射して自然な艶を実現した「レミーエンジェル」。髪質の自然さの違いがお分かりになりますか？

3.自然な艶のキーポイントに浮上した「レミーヘア」とは？

キューティクルの方向をそろえる為、髪の上下の方向を最初の入手時からずっと管理し続ける のは、大変な手間がかかります。

また、良質の髪でないと、それだけの手間をかける意味もありません。

こういった良質な髪は「レミーヘア」と呼ばれ、市場では希少で、高価格で取引されます。

しかし、レミーヘアは価格も高く、取り扱いが面倒なので、扱っている業者は少ないのです。

その為、沢山サンプルを集めるのにとても苦労しました。

4.「自然な艶」検証のための顕微鏡？

業者によって、「レミーヘア」の定義がまちまちだということが、実際にサンプルを 入手してみて、初めて判りました。

ただ単に髪質の状態の良いものをレミーヘアと呼んでいる業者も多いのです。

例１）髪質は比較的良いが、キューティクルがない状態で、方向もバラバラ。
例２）髪の上下の方向は揃っているが、キューティクルを剥がしている。
例３）キューティクルはついていつが、あまり髪の状態が良くない。
例４）髪質がよく、髪の方向が合っていて、キューティクルもついている。

大まかに分けて、上記のようなケースがあります。

しかし、実際にキューティクルの方向が揃っているかどうかは、一見しただけでは判りません。

困り果てた末、たどりついたのが、顕微鏡での検証でした。

キューティクルの状態や方向、髪の太さなどを正確に確認する為に、顕微鏡で実際に 髪の状態をチェックしながらの作業になりました。

髪は立体の円柱状になっているので、平面状のものと違って通常の顕微鏡では上手く キューティクルが写らず、せっかく購入した顕微鏡も、何個か無駄にしてしまいました。

5.自然で美しい艶！「レミーエンジェル」が誕生！

ウィズの「レミーエンジェル」は、こだわりが満載。

自然な艶を追い求めた結果、髪質も向上し、上質なウィッグが出来上がりました。

1.表面の傷んだキューティクルのみ除去していますので、指通りがなめらか。
木目の整った美しいキューティクルが、光を乱反射して、テカリ過ぎない、自然な艶を実現しています。

2.顕微鏡でこまかくチェックされた原毛のみが、ウィッグの髪として使われるので、ハイクオリティ。
キューティクルの美しさ、太さ、ハリやコシ、弾力性等、多くのチェック項目をクリアした原毛のみが使われています。

3.原毛の入手から保管、加工、植毛に至るまで厳重な管理のもと、キューティクルを同一方向に保っています。
これが、毛絡み防止の為に大切な役割を果たします。

4.全く染色していないので、自然な髪色が長持ちします。
ヘアカラーをご希望の方は、ヘアショップにてご希望の毛色にカラーリングが可能です。