口腔癌の講演 リレーフォーライフ福岡2018 九州大学病院 梯裕恵先生
口腔がん 適切な治療で美味しく食べる喜びを

九州大学口腔外科歯科医師 梯裕恵先生先生による講演
今回口腔がんについてお話して下さったのは、九州大学病院の女性歯科医師、梯裕恵先生です。
きびきびした雰囲気の中にも女性らしい優しさのある、素敵な先生でした。
先生のお話によると、「口腔がん」の罹患率(口の中や、その周辺組織のがん)は、がん全体の1~3%ほど。
「珍しいがんなのかな」と思いましたが、患者さんの数は年々増えてきているそうです。
また、日本での口腔がんの死亡率は46.1%と非常に高いことを知り、驚きました。
このときは、「口腔がん」という病気そのものの治療が難しく、治る確率が低いのかな、と思っていました。
しかし、実はそうではありませんでした。
口腔がんは、早期発見できれば大きな手術となることもなく、比較的きれいに腫瘍を切除できるそうなのです。
口腔がんの五年生存率は約60~70%ですが、ステージ1の段階で発見できれば、生存率は90%にも上がる、とのことでした。
ですが、日本国内では「口腔がん」という病気の知名度が低く、先進国の中でも検診の受診率が低い国なのだそうです。
そのため、日本ではかなり病気が進行して、治療が難しくなってしまってから「口腔がん」とわかる患者さんがとても多いとのことです・・・。
日本国内の口腔がん死亡率の高さには、このような背景がありました。
比較として、アメリカの口腔がんによる死亡率が挙げられていましたが、こちらは「19%前後」と、なんと日本の1/2以下でした。
後に調べてみたところ、アメリカでは半年に一回の口腔がん検診が義務化されているそうです。
こうして数字で見てみると、いかに「早期発見・早期治療」が重要なのか、身に染みてわかりました。
梯先生によると、口腔がんは、口の中の見た目や出血、痛みなどで「なんだかいつもと違う」ということに自分で気づけるため、
日ごろから自分で口の中を観察することも大切だそうです。
もし、
・口の中の痛み、出血
・発音・咀嚼・嚥下がしにくい
・三週間治らない口内炎
・歯がぐらぐらする
・リンパが腫れる
などの症状がある場合、「口腔がんの疑いがあるので早めに受診して下さいね」、と言われていました。
寝る前の歯磨きやお風呂の時間など、ちょっとだけ口の中を注意してみてみることで、口腔がんの早期発見に繋がるかもしれません。
繰り返しになりますが、口腔がんは初期に発見できれば手術による傷跡も小さくて済みます。
切った部分が小さければ小さいほど、見た目や機能も元通りに回復してくれます。
今すぐに、アメリカと同じように「半年に一回の口腔がん検診を義務化」というのは難しくても、ほんの少しでも「口腔がん」という
病気の存在や、検診の重要さが広まると良いと思います。
そして、今の日本ではなかなか難しいかもしれませんが、「忙しいから」「他にやらなければならないことがあるから」といった理由で
自分の健康を蔑ろにして取り返しのつかないことにならないよう、健康を大切にできる世の中になっていくことが一番です。
これは、口腔がんに限らず他の病気や不調に関しても同じですね。
私自身、虫歯を放っておきすぎて歯医者さんに何度か怒られたことがあるので、「何かあったら早めの受診」を心がけたいと思います。
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