抗癌剤治療後、髪は元のように復活する?アンケート調査結果
抗癌剤治療後、脱毛の副作用で髪質が変化する?
抗癌剤治療をするにあたり、担当のお医者様より治療方針や投薬期間などの説明があると思います。
多くの場合、薬剤の副作用により髪が抜けるので、お医者様からQOL(Quality of Life = 生活の質の向上)を考えカツラを準備した方が良いのではと提案があることでしょう。
ウィズでも、病院の担当医よりカツラを用意するように言われたからと、来店されるお客様がたくさんいらっしゃいます。
抗癌剤治療の終了後、およそ1年ほどで髪は生えてくるので、患者さんは髪が生えそろうまでの期間をカツラで過ごすようになります。
脱毛は限定された期間だけですし、治療終了とともに自毛は回復してきます。
ただし、新しく生えてきた髪は、癖毛や髪質が変わったり白髪になることもあるようです。
2010年の第18回日本乳癌学会にて、抗癌剤治療後の脱毛や髪質の変化についてのアンケート結果が発表されているので、紹介させていただきます。
約半数の患者さんが脱毛後の髪質が変化した
この調査は、独立行政法人国立病院機構仙台医療センター乳腺外科にて、乳癌で抗がん剤治療をした85人の患者様を対象とされたものです。
治療が終わった時の患者さんの平均年齢は51歳で、アンケート調査期間の中央値は32カ月だったそうです。
※中央値とは、データを大きさの順に並べたとき、中央にくるデータの値をいいます。
アンケートの結果、副作用による抜け毛の後、髪質の変化があった人は半数以上になったそうです。
また、投薬治療の終了から2年以上が経過しても薄毛が改善されない人もいたそうです。
調査された5項目について順を追ってみていってみましょう。
【1】髪質の変化(くせ毛になったか、くせ毛が改善したか)
「くせ毛になった」と答えたのは56人(66%)で、そのうち「今もくせ毛である」は29人(51%)だったそうです。
【2】髪の量や太さの変化
髪の量が「減った」と答えたのは50人(53%)だったそうです。
髪の太さが「細くなった」と答えたのは63人(74%)だったそうです。
髪の量が増えた、または髪の太さが太くなったと答えたのは数%だったとのこと。
【3】頭髪以外の髪質の変化
眉毛がすべて抜けたのは56人(66%)、一部が消失したのは23人(27%)だったそうです。
まつ毛がすべて抜けたのは58人(68%)、一部が消失したのは17人(20%)だったそうです。
【4】再発毛までの期間
58人(68%)に再発毛を認め、再発毛までの期間の中央値は3カ月だったそうです。
また、抗がん剤治療終了後からかつらが不要になるまでの期間の中央値は8カ月だったそうです。
【5】かつら離脱までの期間
12カ月以内に54人(67%)がカツラを卒業したが、5人(6%)は調査期間中もかつらを使用されていたそうです。
さらに、そのうち2人(2.4%)は2年以上経過してもかつらを外さずに使用を続けていたとのことです。
これまでは、以上のような抗がん剤の副作用による脱毛や髪質の変化に関する具体的なデータはなかったそうです。
副作用による髪のお悩みは、患者さんのQOLに大きな影響を与える要素といえます。
この貴重なアンケート結果をを元に、私達もかつら屋さんとして適切なアドバイスをできればいいなと考えています。
医療用かつらとは、がん化学療法の副作用による脱毛などの医療目的で使うウイッグです。。写真はイメージです。
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