リレーフォーライフ福岡2016 いのちの授業

いのちの授業 NPO法人キャンサーサポート

2016いのちの授業1

日本人が癌になる確率は2人に1人

いのちのホームルームという表題のついた、がんについてのお話しです。スピーカーは、お二人で、まず和白病院の柴田看護師さんがお話しをして下さいました。

スピーカーは、お二人で、まず和白病院の柴田看護師さんがお話しをして下さいました。

人の細胞は、37兆個もあるそうです。37の数字になんと0が12個もつく数! もう人間がひとつひとつ数えるのは不可能な数字ですね。 こんな途方もない数の細胞によって、私たちは生かされているのです。

細胞自身は生きているので、生まれては消え、消えては生まれていくわけです。

がんにならない細胞がたった3つあるとのことで、柴田看護師さんによると、 「歯」「毛」「爪」だそうです。そこれらはもう増殖することのない死滅細胞だから、 がん細胞が生まれない、ということなんだそうです。

生きている細胞は分裂を続け、その過程でコピーミスが生じる場合があって、補修が 追いつかない場合には、がん細胞になってしまう可能性があるとのこと。

それ以外の身体の部位は、どれもがんになる可能性がある、ということでした。

2012年の発表では、日本人の死亡原因の第1位ががんであり、 1年間に約36万人もの方が亡くなられているとのこと。

日本人の1生のうちにがんになる確率は、2人に一人と言われているという現在。 4人家族だったら、2人はがんになる可能性が高いということですね。 がんの罹患率は年々増えていく一方のようです。

現在日本人で多いがんは、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、前立腺がんで、 大腸や乳がんなど、欧米に多かったがんの割合が最近増えているという点も 気になります。これは食事などの生活習慣が変化したからだと考えられています。 生活習慣によって、病気は作られるんですね!

がんになってしまったら、治癒することはとても大変です。まずは予防が一番! 食生活や生活習慣など、できることからしっかりやらなくては!と改めて感じました。

その為には、「何が良くないのか」を見極めることが必要です。 現在の食品には必ずと言ってよい程、の食品添加物や保存料、化学調味料が 入っています。これらが身体に良い影響を与えるとは思えませんね?

毎日のことは積み重ねがとても重要です。鼻や口から吸収する芳香剤や虫よけ、 歯磨き粉なども、「これは大丈夫?」という目線をもって、成分を調べて使用したいと 思います。

2016いのちの授業2



キャンサーズギフト がんになった 人だけに贈られる贈り物

いのちのホームルームという表題のついた、がんについてのお話しで、二人目の スピーカーは、口腔がん(上あごにできたがん)のサバイバーである、山本さんです。

とても可愛いらしい38歳の女性です。笑顔がとてもチャーミング!実年齢よりも かなり若くみえ、とても大変ながんを乗り越えていらした方とは思えないお姿です。

山本さんは、看護士学校の生徒だった32才の時に、がんが発見されたそうです。 最初は、顔にひどい傷みを覚え、色々な病院を廻られました。耳鼻科、歯科・・ しかし理由が判らず、最後に一応口腔外科も受診してみたら?といわれ、行ってみたところ、 すぐにがんが発見されたそうです。

看護師を目指して勉強しているのに、自分は看護師になることもできず、 この若さで死んでしまうのか?と大変なショックを受けた山本さん。

それまでは、何か小さなことで、「もう死んでしまいたい」と軽く思ったこともあったそうですが、 「死にたい」と「死んでしまう」とでは、まったく違うと言われていました。

自分は、看護師になる夢を叶えたい。その為に学校で学びを続けたい!と主治医の先生に 伝えたところ、「ならば、すぐに治療を開始して、早く治そう」と言ってくれたそうです。

それから手術までは本当に早く、がん発見から3日後には入院、1週間後には手術と、 慌ただしく過ぎてしまい、事の重大さに後から気が付いたとおっしゃいます。

なぜなら、手術後に起きた時には、ものスゴイ痛みがあり、口いっぱいにガーゼが詰められて、 話もできない、飲み物はおろか、唾液さえも飲み込むことができない状態。

上あごにぽっかり穴が開き、上あご片側の歯も一緒に無くなっていたそうです。 そのままですと、何も話せない、何も食べられない。

義歯を入れることで、話したり、物を食べたり飲んだりすることができるようになった。

ただ、その時は入れ歯はお年寄りがするものというイメージが強く、「いい歯を作って貰って 良かったね。」という主治医先生の言葉を、その時はまだ心から受け入れることが出来 なかったそうです。

2016いのちの授業3


キャンサーズギフト

手術直後の落ち込みから救ってくれたのは、キャンサーズギフトと言われる、がんになった 人だけに贈られる贈り物だったそうです。

命の大切さ
人のあたたかさ
時間の大切さ


この3つが山本さんにとってのキャンサーズギフト。


●命の大切さ
がんになるまでは、こんなに命が惜しい、生きたいと思ったことはなかった。 今命がある幸せ。毎日を普通に送れることがどんなに尊くて、当たり前ではないと いうことを心から思うことができた。

●人のあたたかさ
自分に寄り添って応援してくれる人なんて誰もいない。そう思っていたのに、 学校の友人達が毎日学校の様子や授業をビデオに撮って送ってくれた。
主治医の先生は、術後、痛みと不安で先が見えず落ち込んでいる自分に、 「早く良くなって、一緒にプリンを食べよう!」と目の前に目標を作ってくれ、 前を向かせてくれた。
学校に復帰した直後、耳が聞こえなくなってしまった自分に、ゆっくりと筆談で 教えてくれた先生や周りの友達。

●時間の大切さ
夜、義歯と補聴器をはずして、眠る前の静かな時間。口の中にぽっかり空いた穴。 なにも食べれないし、何も話せない。そして無音の世界。
だけど、そのおかげで、今日のあのごはんはおいしかったな。友達とおしゃべりして 楽しかったな、としみじみ噛みしめることができる時間がもてた。
一瞬一瞬を大切に思う気持ちは、以前にはなかったものだそうです。


そしてこの貴重な体験を、山本さんは「いのちの授業」として、小学校など、各学校を 廻って伝えていく活動をされています。この活動の応援も募集中だそうです!本当に素敵な笑顔でした。

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